今回説明するのは、２つのデータを検索・照合して社員データに無いデータを追記するサンプルプログラムです。また、２つのデータを比較・照合して重複データを検出するサンプルプログラムも説明を致します。一意のデータ（ユニークデータ）を作成する際には、とても便利だと思います。以前、同じ内容のプログラムを紹介しましたが、今回の方がシンプルで分かり易いと思います。それでは、順番にサンプルプログラムを交えて順番に説明いたします。
●【２つのデータを検索・照合・データを追記する方法については、下記の情報を参照して下さい】（前回紹介プログラム）
●【Range.Find メソッド (Excel VBA)、下記の参照して下さい】※参考資料
https://docs.microsoft.com/ja-jp/office/vba/api/excel.range.find
下記のサンプルプログラムは、2つのデータを検索・照合して元データに無いデータを追記するサンプルプログラムです。A列に「勘定科目」一覧が表示されています。D列には、追記対象のデータ一覧が表示されています。このデータを照合してA列の「勘定科目」に無いデータを追記するサンプルプログラムです。
【プログラムの流れ】
① A列の最終行を取得します。（元データ）
② D列の最終行を取得します。（追記対象データ）
③ 追記行を求める（A列最終行＋１）
④ A列全てに対してD列の追記対象データを1件ずつ照合する。
⑤ データが無ければ追記対象データをA列（元データ）の最終行に追記します。
⑥ A列の追記行＋１を加算する。
【プログラム実行条件】
① A列に元データを入力する（一意のデータ）
② B列に追記データ入力する（重複データ可能）
'
'
Sub Tusiki01() ''2つのデータを比較照合して、元データに無いデータを追記
Dim I, L, lRow, mRow As Long
Dim CheckCells As Range
With ActiveSheet
lRow = .Cells(Rows.Count, "A").End(xlUp).Row 'A列の最終行を取得します。（元データ）
mRow = .Cells(Rows.Count, "D").End(xlUp).Row 'D列の最終行を取得します。（追記対象データ）
L = lRow + 1 '追記行を求める（A列最終行＋１）
For I = 2 To mRow '追記対象データ分繰り返す（最終行まで）
Set CheckCells = .Range("A:A").Find(.Cells(I, "D")) 'A列全てに対してD列の追記対象データを1件ずつ照合する。
If CheckCells Is Nothing Then 'データが無ければ追記対象データをA列の最終行に追記します
.Cells(L, "A") = .Cells(I, "D")
L = L + 1 'A列の追記行に＋１を加算する。
End If
Next I
End With
End Sub
'
下記のサンプルプログラムは、2つのデータを比較・照合してお互いに重複データが有れば、チェックマーク「＊」を付けるサンプルプログラムです。A列の「都道府県」データとE列の「都道府県」データを比較して、重複しているデータに対して該当データのセル横にチェックマーク「＊」を付けます。
【プログラムの流れ】
① E列の最終行を取得します。
② E列の最終行まで繰り返します。
③ A列の「都道府県」データとE列の「都道府県」データと一件づつ検索します。
④ 重複しているデータがあれば、該当データに、チェックマークを表示します。”＊”
⑤ E列のデータの最終行まで繰り返します。②へ
【プログラム実行条件】
① A列に元データを入力する（一意のデータ）
② B列に追記データ入力する（重複データ可能）
'
'
Sub Tusiki02() '2つのデータを比較照合して、重複データにチェックマークを付ける。
Dim I, lRow As Long
Dim CheckCells As Range
lRow = Cells(Rows.Count, "E").End(xlUp).Row 'E列の最終行を取得します。
With ActiveSheet
For I = 2 To lRow 'E列の最終行まで繰り返します。
Set CheckCells = Range("A:A").Find(Cells(I, "E")) 'A列の「都道府県」データとE列の「都道府県」データと一件づつ検索します。
If Not CheckCells Is Nothing Then '重複しているデータがあれば、該当データに、チェックマークを表示します。
.Cells(CheckCells.Row, "B") = "*" 'B列にチェックマークを表示します。
.Cells(I, "F") = "*" 'F列にチェックマークを表示します。
End If
Next I
End With
End Sub
'
下記のサンプルプログラムは、別々のシートにある2つのデータを検索・照合して元データに無いデータを追記するサンプルプログラムです。今回のサンプルプログラムは、上記サンプルプログラム①の応用になります。シート「元データ」には、勘定科目一覧が表示されています。シート「追加」には、別の勘定科目一覧が表示されています。この別々のシートに分けれている勘定科目データをシート「元データ」に一意のデータとして纏めるサンプルプログラムです。
【プログラムの流れ】
① シート「元データ」A列の最終行を取得します。
② シート「追加」A列の最終行を取得します。
③ 追記行を求める（A列最終行＋１）
④ シート「元データ」A列全てに対して、シート「追加」A列の追記対象データを1件ずつ照合する。
⑤ シート「元データ」に無ければ追記対象データA列の最終行に追記します。
⑥ A列の追記行＋１を加算する。
【プログラム実行条件】
① ワークシート「元データ」を作成して、A列に元データを入力する（一意のデータ）
② ワークシート「追加」を作成して、A列に追記データ入力する（重複データ可能）
'
'
Sub Tusiki03() '追記'別のシートから追記
Dim ws01, ws02 As Worksheet
Dim I, L, lRow, mRow As Long
Dim CheckCells As Range
Set ws01 = Worksheets("元データ")
Set ws02 = Worksheets("追加")
lRow = ws01.Cells(Rows.Count, "A").End(xlUp).Row 'A列の最終行を取得します。（元データ）
mRow = ws02.Cells(Rows.Count, "A").End(xlUp).Row 'A列の最終行を取得します。（追加）
L = lRow + 1 '追記行を求める（A列最終行＋１）
For I = 2 To mRow '追記対象データ分繰り返す（最終行まで）
Set CheckCells = ws01.Range("A:A").Find(ws02.Cells(I, "A")) 'A列全てに対してD列の追記対象データを1件ずつ照合する。
If CheckCells Is Nothing Then 'データが無ければ追記対象データをA列の最終行に追記します。
ws01.Cells(L, "A") = ws02.Cells(I, "A")
L = L + 1 'A列の追記行に＋１を加算する。
End If
Next I
End Sub
'
下記のサンプルプログラムは、複数のセルデータを比較・照合してデータ一覧にデータが無ければ、該当データを追記するサンプルプログラムです。今回のサンプルプログラムでは、シート「社員データ」①とシート「社員追加データ」②を比較・照合しますが、複数のセルデータをA列～G列までのデータ１つのセルに纏めることで、複数セルの比較・照合を一括に処理する事ができます。このデータをシート「Work」にA列は、「社員データ」・B列は、「社員追加データ」作成する事で１対１のデータとして纏めて比較処理を行う事ができます。
【処理の流れ】
① シート「社員データ」・・元となる社員データがA列～G列「社員番号、氏名、年齢・・・」と登録されています。（下記：図①）
② シート「社員追加データ」・・社員追加データこのデータ内に、社員データに登録されていないデータが2件あります。（下記：図②）※黄色枠
③ シート「Work」・・A列にシート「社員データ」のA列～G列の結合データが代入します。（上記：図③）
シート「Work」・・B列にシート「社員追加データ」のA列～G列の結合データが代入します。
④ シート「社員データ」の最終行に、「社員データ」に無いデータが追加登録されました。（上記：図④）
【プログラムの流れ】
① シート「社員データ」A列の最終行を取得します。※このデータは、追記を求める時にも使います。
② シート「社員追加データ」A列の最終行を取得します。
③ シート「社員データ」のA列～G列のデータを結合して、シート「Work」A列に転記します。（データ全て）
④ シート「社員追加データ」のA列～G列のデータを結合して、シート「Work」B列に転記します。（データ全て）
⑤ シート「社員データ」A列の最終行＋１を加算する。（追記行を求める）
⑤ シート「Work」のA列・B列を比較・照合してデータが無ければシート追記します。既存データがあればそのまま
⑥ シート「社員追加データ」分のデータを全てを繰り返します。⑤へ戻る
【プログラム実行条件】
① ワークシート「社員データ」を作成してA列～G列の人事データを作成します。（一意のデータ）
② ワークシート「社員追加データ」を作成してA列～G列の人事データを作成します。（一部追加データ）
'
'
Sub Tusiki04() '追記'別のシートから追記（複数データを追記）
Dim ws01, ws02, ws03 As Worksheet
Dim I, L, lRow, mRow As Long
Dim CheckCells, TempCells, MultiCells As Range
Set ws01 = Worksheets("社員データ")
Set ws02 = Worksheets("社員追加データ")
Set ws03 = Worksheets("Work")
lRow = ws01.Cells(Rows.Count, "A").End(xlUp).Row 'A列の最終行を取得します。（社員データ）
mRow = ws02.Cells(Rows.Count, "A").End(xlUp).Row 'A列の最終行を取得します。（社員追加データ）
For I = 2 To lRow 'シート「社員データ」の最終行まで繰り返します。
TempCells = ""
For Each MultiCells In Range(ws01.Cells(I, 1), ws01.Cells(I, 7)) '社員データのA列～G列のデータを結合します。
TempCells = TempCells & MultiCells.Text & ""
Next MultiCells
ws03.Cells(I, "A").Value = TempCells '結合したデータをシート「Work」A列に転記します。
Next I
For I = 2 To mRow 'シート「社員追加データ」の最終行まで繰り返します。
TempCells = ""
For Each MultiCells In Range(ws02.Cells(I, 1), ws02.Cells(I, 7)) '社員追加データのA列～G列のデータを結合します。
TempCells = TempCells & MultiCells.Text & ""
Next MultiCells
ws03.Cells(I, "B").Value = TempCells '結合したデータをシート「Work」A列に転記します。
Next I
L = lRow + 1 '追記行を求める（A列最終行＋１）
For I = 2 To mRow '追記対象データ分繰り返す（最終行まで）
Set CheckCells = ws03.Range("A:A").Find(ws03.Cells(I, "B")) 'A列全てに対してD列の追記対象データを1件ずつ照合する。
If CheckCells Is Nothing Then 'データが無ければ追記対象データをA列の最終行記します。
ws01.Range("A" & L & ":G" & L).Value = ws02.Range("A" & I & ":G" & I).Value
L = L + 1 'A列の追記行に＋１を加算する。
End If
Next I
End Sub
'
