EXCEL VBA エラーかどうがを判定します。数式エラー・数値表示によるエラー(###)列幅調整(ISERROR関数)
EXCEL VBA エラーかどうがを判定します。数式エラー・数値表示によるエラー(###)列幅調整(ISERROR関数)
今回説明するのは、セルに登録されている数式又は関数がエラー発生しているかどうかを判定する方法を説明いたします。ISERROR関数は、セルに登録されている数式や関数がエラーかどうかを判定する事ができます。値(セル)がエラーであれば【True】・正常であれば「False」を返します。ワークシート内に登録した数式が間違えて登録されている場合など、数式がエラー(#DIV/!)等を探す時に便利だと思います。また、数値表示によエラー(###:セル幅が狭い時に表示される)数値がセル内に入り切れない場合の対処方法、列を特定してセル幅を自動調整する方法も併せて説明いたします。それでは、サンプルプログラムを交えて順番に説明いたします。
●【ISERROR関数 (Excel)については、下記を参照して下さい】(Microsoft社 様)】
https://learn.microsoft.com/ja-jp/office/vba/language/reference/user-interface-help/iserror-function
● ISERROR関数を利用するには、下記の通りに設定を行います。
ISERROR(値)
※値(セル)がエラーの場合は、【True】を返します。正常の場合は、【False】を返します。
※戻り値は、ブール型 (Boolean)に返します。
【使用例】
● セル(A1)のエラーの原因をメッセージボックスに表示します。
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' ' Sub IsError00() 'セル(A1)に登録されている数式がエラーかどうかを調べる。 Dim Ans As Boolean Ans = IsError(Range("A1").Value) 'セル(A1)が数式エラーか判定します。 If Ans = True Then 'エラー判定結果が、「True」の場合はエラーが発生。「False」の場合はエラーが発生していない。 MsgBox Range("A1").Formula & vbCrLf & "はエラーです。’エラー原因の数式をメッセージボックスに表示します。" End If End Sub ' |
【EXCELで発生するエラー表示の一覧 (一部)】
エラー表示 | エラー原因 |
---|---|
#DIV/0 | 割り算を0で割っている。 |
#N/A | 数式や関数に使用できる値がない。 |
#VALUE! | 関数の引数や演算の形式に誤りがある。 |
#REF! | 参照先のセルが見つからない。 |
#NAME? | 関数名やセル範囲の名前に誤りがある。 |
#NULL!! | 指定した2つのセル範囲に共通部分が無い。 |
#NUM! | 数値の指定に誤りがある。また、範囲を超えている。 |
EXCEL VBA エラーかどうかを判定します。各種エラーに対して原因をメッセージボックスに表示します。(ISERROR関数)
下記のサンプルプログラムは、A列に数式や関数が登録されています。登録した数式や関数の設定に誤りがあるため、数式エラー等が発生しています。今回のプログラムでは、そのエラー原因を順番にメッセージボックスへ表示するサンプルプログラムです。ISERROR関数を使う事で、様々なエラーについてもセルのエラー判定を行うので、エラー箇所を特定する場合は便利だと思います。
【プログラムの流れ】
① A列の最終行を取得します。
② A列の2行目から①で取得した最終行まで繰り返します。
③ 該当するセルの数式・関数にエラーかどうか判定します。
④ ③で該当するセルの数式・関数にエラーが発生している場合は、原因の数式をメッセージボックスに表示します。
⑤ A列の最終行まで繰り返します。②へ
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' ' Sub IsError01() 'セルに登録されているセルの数式がエラーがどうかを調べる・ Dim Ans As Boolean Dim I, lRow As Long lRow = Cells(Rows.Count, "A").End(xlUp).Row 'A列の最終行を把握します。 For I = 2 To lRow 'A列の最終行まで繰り返します。 Ans = IsError(Cells(I, "A").Value) '該当セルの数式がエラーか判定します。 If Ans = True Then '該当セルの判定結果が「True」エラーが発生している場合は、以下の処理を実行、 MsgBox Cells(I, "A").Formula & vbCrLf & "はエラーです。" 'エラー原因の数式をメッセージボックスに表示します。 End If Next I End Sub ' |
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EXCEL VBA エラーかどうかを判定します。エラーに対して原因を別のセルに表示します。(ISERROR関数)
下記のサンプルプログラムは、D列に登録されている数式エラーがあるか判定します。判定の結果、誤りがある場合はF列にエラー原因を表示します。また、エラーが発生したD列セル(数式エラーが登録されている)は、エラー発生セルを分かりやすくするために、背景色が赤で塗りつぶされます。
【プログラムの流れ】
① D列の最終行を把握します。
② D列の背景色を白に戻す。
③ 数式エラーを表示するF列をクリアーする。(削除)
④ D列の最終行を取得します。
⑤ 当該セルの数式がエラーか判定します。
⑥ 判定結果に「False」数式エラーが無い場合は、F列に【問題無し」と表示します。
⑦ 判定結果に「True」数式エラーが有る場合は、F列に【数式エラー原因】を表示します。かつ、エラー原因のセルに背景色を赤に塗りつぶします。
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' ' Sub IsError02() '数式エラーには背景色と隣のセルにエラー内容を表示する。 Dim Ans As Boolean Dim I, lRow As Long lRow = Cells(Rows.Count, "D").End(xlUp).Row 'D列の最終行を把握します。 Range("D2:D" & lRow).Interior.ColorIndex = 0 'D列の背景色を元にもどす。(白) Range("F2:F" & lRow).ClearContents 'エラー原因を表示するF列をクリアします。 For I = 2 To lRow 'D列の最終行まで繰り返します。 Ans = IsError(Cells(I, "D").Value) '該当セルの数式がエラーか判定します。 If Ans = False Then '該当セルの判定結果が「False」エラーが無い場合は、以下の処理を実行 Cells(I, "F") = "問題なし" Else Cells(I, "F") = "'" & Cells(I, "D").Formula & "はエラーです。" 'エラー原因の数式をF列に表示します。 Cells(I, "D").Interior.ColorIndex = 3 'エラー原因のセルの背景色を赤にします。 End If Next I End Sub ' |
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EXCEL VBA セルの内容が正しいのに「###」が表示されるときの対処法・セル幅の自動調整(セル幅が狭い)
下記のサンプルプログラムは、関数・数値エラーが発生しているわけでは無いが、セルの幅が狭く数値が入り切れない場合に表示される「###」をISERRORを使い、該当するセルの列幅を自動調整を行うサンプルプログラムです。
【プログラムの流れ】
① アクティブのワークシートのセル(A1~F1)まで順番に繰り返します。
② セル(A1⇒F1:まで)順番にセルがび数式エラーが発生しているか判定します。
③ 数式エラーが発生及び該当のセルの文字列の左側1文字目が”#”か判定します。
④ 判定結果、”###”になっているセル位置のセル幅を自動調整します。
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' ' Sub IsError03() 'セルに###が表示されている列のセル幅を自動調整します。 Dim Rng As Range For Each Rng In Range("A1:F1") 'セルA1~F1まで繰り返します。 If Not IsError(Rng.Value) Then '該当のセルにエラーが発生しているか判定します。 If Rng.Value <> Rng.Text And Left(Rng.Text, 1) = "#" Then '該当のセルの左側が”#”か判定します。 Rng.EntireColumn.AutoFit 'エラーが発生および”#”の表示せるに該当する列幅を自動調整する。 End If End If Next Rng End Sub ' |
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EXCEL VBA ブック全体のワークシートに対して、セルの内容が正しいのに、セル幅が縮小され「###」表示されるときの対処法・セル幅の自動調整②
下記のサンプルプログラムは、サンプルプログラム③の応用になります。今回のプログラムではブック全体が対象となり全てのワークシートのセル「A1」を起点とする表の範囲に対して、セル幅の狭い「###」と表示されている列に対してセル幅の自動調整を行います。
【プログラムの流れ】
① 全てのワークシートに対して繰り返します。
② エラーが発生してもプログラム実行を続行します。
③ 各ワークシートのセル「A1」を起点に表範囲を取得します。※この表の範囲が列幅の調整する範囲になります。
④ ワークシートを順番にアクティブにします。
⑤ 現在のアクティブのセル「A1」を起点に取得した表範囲を順番に繰り返します。
⑥ 表の範囲として取得したセル範囲を順番に繰り返します。
⑦ 該当のセルが数式エラーが発生しているか判定します。かつ、該当のセルの左側1文字目が”#”になっているか、判定します。
⑧ ⑦の2つの条件が一致していれは、その列番号をコレクションとして登録します。(一意の番号として列番号を管理します。)
⑨ 表の範囲として取得した最後のセルまで繰り返します。⑤へ
⑩ コレクションに登録された列番号を数分繰り返します。
⑪ 縮小表示された列番号を指定して、列幅を自動調整します。
⑫ 最後のワークシートまで繰り返します。
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' ' Sub IsError05() '全てのワークシートの表を対象にのセルに###が表示されている列のセル幅を自動調整します。 Dim Ws As Worksheet Dim ColTemp As New Collection Dim Rng, HaniRng As Range Dim I As Long For Each Ws In Worksheets '全てのワークシートを繰り返します。 On Error Resume Next 'エラーが発生しても続行する。 Set HaniRng = Ws.Range("A1").CurrentRegion '各ワークシートのセル「A1」を起点に表範囲を取得します。 Ws.Activate 'ワークシートを順番にアクティブにします。 For Each Rng In HaniRng 'セル「A1」を起点に取得した表範囲を順番に繰り返します。 If Not IsError(Rng.Value) Then '該当のセルにエラーが発生しているか判定します。 If Rng.Value <> Rng.Text And Left(Rng.Text, 1) = "#" Then ' セルに"###" ColTemp.Add Rng.Column, "Key" & Rng.Column 'コレクションに登録する。(一意の列を登録します) End If End If Next Rng For I = 1 To ColTemp.Count 'コレクションに登録した分繰り返す。 Ws.Columns(ColTemp(I)).EntireColumn.AutoFit '該当した列に対して列は幅を調整します。 Next I Next Ws '最後のワークシートまで繰り返します。 End Sub ' ' |
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